無盡藏

既刊

柳と京都カバー

既刊

柳宗悦と京都 民藝のルーツを訪ねる

杉山享司 土田眞紀 鷺珠江 四釜尚人|A5判上製 240頁|3800円+税|光村推古書院|2018(平成30)年8月8日初版

杉山享司 土田眞紀 鷺珠江 四釜尚人
A5判上製 240頁 3800円+税
光村推古書院
2018(平成30)年8月8日初版

◉目次
序にかえて
『工藝の道』序

❶我孫子から京都へ
〜誰と出会い、何を行い、どんなものを蒐めたのか〜

杉山享司(日本民藝館学芸部長)
 
はじめに/白樺同人として/我孫子時代の柳宗悦/朝鮮の友として/木喰仏との出会い、そして京都へ/河井との出会い、そして「民藝」の発見/上加茂民藝協団の発足と『工藝の道』発刊/博覧会への参加、そしてアメリカへ/京都に戻った柳宗悦/日本民藝館の開設/終わりに

❷「民藝」が誕生した磁場
——大正末期の京都と柳宗悦

土田眞紀(同志社大学文学部講師)

一. 柳宗悦と同志社大学/二. クラフトギルドの夢と現実——柳宗悦と上加茂民藝協団/三. 岩井武俊と初期民藝運動/おわりに——「民藝」が誕生した磁場

❸運命の出会い
〜柳宗悦と河井寬次郎〜

鷺 珠江(河井寬次郎記念館学芸員)

民藝発祥の地——京都/陶工の同志——濱田と河井/無名性への思い/反目する二人——柳と河井/運命の出会い/河井家における柳宗悦の想い出/終生の友へ贈る言葉

④京都民藝散歩
〜柳宗悦の俤を訪ねて〜

四釜尚人(京都民藝協会理事)

柳宗悦の旧居/上加茂民藝協団跡地/河井寬次郎記念館/アサヒビール大山崎山荘美術館/京都民芸資料館/向日庵(寿岳文章邸)/一燈園資料館 香倉院/十二段屋本店/西村書店(現ちおん舎)/洛風林/グランピエ商会・グランピエ丁子屋/京都大毎会館(現1928ビル)/進々堂 京大北門前店/鍵善良房(四条本店)/亀屋良永/平安殿/上田恒次邸と松乃鰻寮/京都の古書店・専門書店 書林・其中堂/竹苞書楼/田中平安堂(平安堂書店)/平楽寺書店/貝葉書院/法蔵館 〈京都の朝市〉弘法市(東寺)/天神市(北野天満宮)/檀王法輪寺
〈京都の木喰仏〉清源寺/福満寺/蔭涼寺

柳宗悦と京都
〜年譜〜

※肩書は全て出版当時のママ

◉詳細
柳宗悦が関東大震災に罹災し、京都に移住したのは1924年(大正13)4月のことでした。それから1933年(昭和8)5月、東京市小石川区へ転居するまでの9年間弱という短い期間ではありましたが、実に多くの出来事がありました。
 この間、『工藝の道』(ぐろりあそさえて、1928年)、雑誌『工藝』(聚楽社、1931〜1951年)、『民藝の趣旨』(私家本、1933年)、『蒐集に就て』(私家本、1933年)などの重要な書籍の刊行は続きました。ところが柳が書いた京都に関連した文章というのは、『私家本 柳宗悦集』の「蒐集物語」(春秋社、1974年)の「京都の朝市」を始め、いくつか散見されますが、柳の京都時代を俯瞰できる本というのはなかなか見当たりませんでした。
 
 柚木沙弥郎の装丁が印象的な『うつくしい話』(芸艸堂、1985年)という本があります。京都民芸協会の第4代会長を務められた西邨辰三郎の著作です。この本は柳の京都時代や当時の京都の民藝運動を照射した貴重な記録ですが、内容的にもこの本が唯一と言ってもいいくらいでした。登場するのが英文学者の寿岳文章を始め、柳の思想や民藝運動を支援する立場の方が多いため、内容の面白さとは別に、客観的に柳が京都をどう見ていたのかを知りたいと思いました。
 そこで企画したのが『柳宗悦と京都〜民藝のルーツを訪ねる』です。すでに刊行から8年が経ちますが、この本で半分くらいの事実確認はできたような気はしますが、まだまだ柳が京都時代に遺したものがあるような気がします。民藝誕生100年を迎える2025年、更なる新しい発見があっても良いかもしれません。なぜなら9年弱の間に貨車4代分のモノを蒐めたのが柳宗悦という人だったからです。