無盡藏

既刊

既刊

わが陶器造り 富本憲吉

京都市立芸術大学芸術資源研究センター企画  森野彰人 前崎信也 著|A5判コデックス装 390頁|3750円+税|里文出版|2019(令和元)年1月11日初版

京都市立芸術大学芸術資源研究センター企画
森野彰人 前崎信也 著
A5判 コデックス装 390頁 3750円+税
里文出版
2019(令和元)年1月11日初版

 
◉目次
出版にあたり
 
森野彰人

鼎談「わが陶器造り」
乾 由明(京都大学名誉教授・元兵庫陶芸美術館館長)
森野泰明(陶芸家・日本藝術院会員)
柳原睦夫(陶芸家・大阪芸術大学名誉教授)
司会・森野彰人

『わが陶器造り』富本憲吉〈原本複写〉

『わが陶器造り』〈釈文+解説〉
一、緒言
二、陶器造り発達の順序と種類
三、圖案
四、陶土
五、成形
六、装飾、釉薬及び彩料の調成と運用
七、釉と彩料その他の運用
八、窯及び熱量
九、雑、工房その他
拾、補遺

教育者としての富本憲吉 
前崎信也

※肩書は全て出版当時のママ

◉詳細
近代の日本を代表する陶芸家の一人である富本憲吉の没後50年を数えた2014年(平成26)、それを記念したイベントが京都市立芸術大学でおこなわれました。前年に富本憲吉関係資料が遺族より寄贈され、そのお披露目を兼ねた展覧会と没後50年の記念講演会が開かれました。富本は京都市立芸術大学の前身でもある京都市立美術学校で教鞭を執っていた際、美術陶芸を目指す学生のために教科書を自ら作って使用していました。これが『わが陶器造り』です。この富本がガリ版刷りで作った教科書の原本は現在3部しか確認されておらず、これからの若い陶芸家たちに伝える価値のあるものということで、京都藝術大学教授の森野彰人さんと立命館大学教授の前崎信也さんによって翻刻されたのがこの本です。

「わが陶器造り」は微に入り細に入り、作陶のノウハウが書かれています。陶芸の素人である学生たちに何を、どう伝えればいいのか。富本の試行錯誤は続いていた様です。ガリ版刷りの文字からも富本の情熱はひしひしと伝わってきます。内容の素晴らしさとともに、妥協を許さない富本の姿勢とその誠実さを感じることが出来、胸が打たれる思いがします。富本には『製陶餘録』『窯辺雑記』など4冊の著作がありますが、学生に向けてプロの陶芸家としての心構えを認めたこの本は異色であり、稀有な一冊と言えるでしょう。